共通テスト国語 第一問
問2の解き方 難易度★★☆☆☆
①病気で絶望的な気分で過ごしていた子規にとって、ガラス障子越しに外の風物を眺める時間が現状を忘れるための有意義な時間になっていたということ。
現状を忘れる時間、その全てが悪いわけではない。しかし、この書き方では現状を忘れることそのものが有意義な時間となると主張していることになる。国語の主張としてはありえないので×。
②病気で塞ぎ込み生きる希望を失いかけていた子規にとって、ガラス障子から確認できる外界の出来事が自己の救済につながっていったということ。
ガラス障子から確認できる外界の出来事という些細なことが自己の救済という人生の大きな変化にまでつながるというのはあまりにも極端なので、×。
③病気で寝返りも満足に打てなかった子規にとって、ガラス障子を通して多様な景色を見ることが生を実感する契機となっていたということ。
「ガラス障子を通した多様な景色」という些細なことでも、生を実感する契機となった、というのは国語という教科の主張として、この中で最もシックリくる。なので、これが正解。
④病気で身体を動かすことができなかった子規にとって、ガラス障子という装置が外の世界への想像をかき立ててくれたということ。
想像というのはよい想像の場合もあれば、よくない想像の場合もある。重要なのは、その掻き立てられた想像によって、どう変わったのか?ということなのだが、そこに言及されていないので、×。
⑤病気で寝たきりのまま思索していた子規にとって、ガラス障子を取り入れて内と外が視覚的につながったことが作風に転機をもたらしたということ。
「ガラス障子を取り入れて内と外が視覚的につながる」ということが何を意味するのか、この文章を読んだだけではよく分からないので、×。ちなみに、こういう文章は必ず本文にそっくりそのまま、あるいは似たような記述があるので、先に問題文を読んでいると惑わされる可能性がある。これが、問題文を飛ばして設問を先に読む方がよいと主張する理由である。
国語がどのような文章を、そして主張を扱うのかを理解していれば、間違いようのない問題です。
問3 難易度★★☆☆☆
①ガラス障子は、季節の移ろいをガラスに移すことで、隔てられた外界を室内に投影して見る楽しみを喚起する仕掛けだと考えられるから。
②ガラス障子は室外に広がる風景の範囲を定めることで、外の世界を平面化されたイメージとして映し出す仕掛けと考えられるから。
③ガラス障子は、外の世界と室内とを切り離したり接続したりすることで、視界に入る風景を制御する仕掛けだと考えられるから。
④ガラス障子は、視界に制約を設けて風景をフレームに収めることで、新たな風景の解釈を可能にする仕掛けだと考えられるから。
⑤ガラス障子は、風景を額縁状に区切って絵画に見立てることで、その風景を鑑賞するための空間へと室内を変化させる仕掛けだと考えられるから。
①について
「見る楽しみを喚起する仕掛け」という部分だが、確かにガラス障子から外を見ることの中には、楽しむことも含まれるだろう。しかし、「見る楽しみを喚起する仕掛け」と述べた場合、ガラス障子は”見る楽しみを喚起することが全て”の仕掛けだ、と主張することになる。このような主張は国語としてはありえない。なので、×。
読解力を上げるには、このように書いてあることを一言一句、正確に読む必要がある。
②について
「イメージとして映し出す仕掛け」という主張は、あくまで機能にのみ言及していて、①のように機能と心に与える作用の両方に言及していないことに注目しよう。すなわち、①の方がより限定的な主張をしているということだ。その時点で、①よりも②の方が正解として適当だということが分かるであろう。
③について
「外の世界と室内とを切り離したり接続したりする」という部分の意味がよくわからず、文章として成立していない。したがって、この選択肢が正解である可能性はほぼほぼゼロだ。
④、⑤について
④前半の「風景を額縁状に区切って絵画に見立てること」と⑤前半の「風景を額縁状に区切って絵画に見立てること」という部分が、②の「室外に広がる風景の範囲を定めること」をより具体的に表現している。
また、④後半の「新たな風景の解釈を可能にする」と⑤「その風景を鑑賞するための空間へと室内を変化させる」というのも
②の「外の世界を平面化されたイメージとして映し出す」ことが前提条件になっている。
「外の世界を平面化されたイメージとして映し出す」ことによって「新たな風景の解釈を可能にする」のであり、
「外の世界を平面化されたイメージとして映し出す」ことによって「その風景を鑑賞するための空間へと室内を変化させる」のだ。
以上により、前半と後半と、いずれの主張も、④と⑤が②の主張の部分集合になっていること。このことが分かれば、論理学的に②が正解だということに気づくだろう。
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